「金はいらねえから泣きっ面が見てえ』 復讐は何も生まないけど、丹波哲郎のイケメンぶりは永遠です 『ジャコ萬と鉄』
ジャコ萬と鉄（1964/日本 監督：深作欣二）
あらすじ
戦後間もなくの北海道のニシン漁場、ヤン衆（出稼の漁師）が集まる季節。網元の久兵衛（山形勲）は、その中にかつて知った男であるジャコウジカの萬吉、通称ジャコ萬（丹波哲郎）がいることを知り驚く。かつて久兵衛は、漁の引き上げの際にジャコ萬を樺太に置き去りにし、船だけ盗んで戻ってきた過去がある。死んだとばかり思っていたジャコ萬から強い復讐心を向けられる久兵衛。番屋に居座り、働こうとしないジャコ萬に強い態度に出ることができない。さらにその頃、戦死したと思われていた思われていた久兵衛の息子・鉄（高倉健）が戻ってくる。
1949年に製作された谷口千吉監督・三船敏郎主演作のリメイク。監督は『仁義なき戦い』シリーズや『蒲田行進曲』などの代表作を持つ深作欣二。北海道の自然と人々の営みを彩る音楽は『用心棒』などで黒澤作品でもお馴染みの佐藤勝。
久兵衛の息子で帰還兵である陽気な男、主人公の鉄を高倉健、そして復讐に燃えるジャコ萬を丹波哲郎が勤めています。
このリメイクは主演の高倉による希望で実現したとのこと。高倉健は三船を崇拝していて、いつか超えたいと常々言っていたらしい。超える・超えないも全くキャラ違うやん、と思ってしまう後の高倉健を知る者ならではの無責任な感想を抱いてしますが、この映画をリメイクしたいとは良いチョイスです（何様）
三船はその人目を引く存在感と気取らない人間的な魅力を併せ持つ稀有なスターですが、台詞回しはやや難あり。リマスターされてない映画だと結構…聞き取れない時があるのですよ。この映画の高倉健はちょっとそんなところを意識してるのか、どうも無駄に発声がなっとらん。
どっちにしても陽気な帰還兵というのはあんまり合う役ではない気がするこの人は自分がどう見えてるか気にしながら演技するタイプの俳優で、役に入り込みすぎないで高倉健が強めに残ってしまう感じがあるんだよね。
しかし姿の良さも相まってそれがいい感じのフックになり、さらに山田洋次がうまく使うなどして不「器用な健さん」のキャラが確立され、大スターになったんだと思うの。ジブリが声優使わないみたいな良さと言いますか。
だがこの映画の頃はまだ無印の高倉健。合わない役をこなせるほど器用ではない上、キャラも三船の真似という感じは否めません。でも、こういうの積み重ねて自分らしさを作り上げていったんだろうな。
対して丹波哲郎のジャコ萬。それはもう…とんでもないイケメンなのよ。眼帯・長髪・無精髭に毛皮の外套。全然働かないでにニヤけてるだけ。でも許す。かっこいいから。
続きを読むろどり子めもの説明
初めまして。ろどり子（仮名）です。
ここでは、主に映画について書いて、たまに脱線する予定です初見の新作についても書きますが、旧作が主になるかと思われます。
いくつになってもまだまだ未見の名作があるし、好きで好きで仕方ない映画の話もしたい。あと丹波哲郎の推し活としても機能させようと目論んでいます。ただし、推しの対象は丹波に限りません。
映画にまつわる遍歴
小学生の時にテレビで観た『俺たちに明日はない』に衝撃を受け、中学生の時はヒッチコックとジャームッシュに夢中。深夜映画で50-60年代の映画を観るように。
高校の頃にはレンタルで（時に名画座で）ヌーヴェルヴァーグやニューシネマを掘りまくりつつ、ミニシアターブームを迎え、パトリス・ルコント監督のファンに。でも好きな俳優はジャック・ニコルソン。
その後、タランティーノの衝撃で日本の旧作に興味を示し、仁義なき戦い戦いシリーズの熱烈なファンになり東映ヤクザ映画を見まくるように。マンガを読むたびに黒澤組と仁義なきメンバーで脳内キャスティングをするのが癖になってしまいました。
犯罪ドラマが好きで、配信時代になってからはハードドラッグの売買をして、車が爆発するタイプの行儀の悪いドラマを好んで見ています。
現在楽しみなお正月映画はエクスペンダブルズとゴールデンカムイです。年齢はお察しですね。
そしてあらゆる差別に反対します。どうぞよろしくお願いします。
好きな映画
PULP FICTION
グロリア
仁義なき戦い・広島死闘編
テルマ&ルイーズ
エース・ベンチュラ
ハリーの災難
KICK ASS
ハーレイ・ダビッドソン&マルボロマン
ウルフ・オブ・ウォール・ストリート
ゴーンガール
七人の侍
E.T.
スターウォーズは別枠
書いている人
名前: ろどり子
海外に行くとスペイン語が話せるかしょっちゅう聞かれますが、さっぱり話せません。ロバート・ロドリゲス監督は割と好き。好きなお姫さまはレイア・オーガナです。映画以外で好きなものは酒と香水と海と犬です。
信頼できると思う俳優さんは、ウディ・ハレルソン、ホアキン・フェニックス、デカプー、高嶋政宏、ロザムンド・パイクなどは信用できるなと思っています。
推しは三船敏郎と丹波哲郎と月島軍曹。
心の元カレはジェームズ・フランコです。ずっと元気でいてほしい。
